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★【名作】※超神回 『∀ガンダム』(1999/Ave.93.1) text by PIANONAIQ


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作品NO.27 『∀ガンダム』




∀ガンダム イメージ 6060


 

∀ガンダム レーダー小5 【名作】※超神回 4クール


世界観:100 脚本/構成:100 演出:95
キャラ:95 演技(声優):95  引き:70 劇伴:95 作画:95


Ave.93.1   詳しくはこちら     ネタバレ厳禁度:★★☆☆☆




1999年4月~2000年4月
フジテレビ
全50話オリジナル作品
ロボット・SF




総監督:富野由悠季
キャラクターデザイン:安田朗(原案)、菱沼義仁(設定)
メカニックデザイン:シド・ミード大河原邦男、他
音響監督:鶴岡陽太
音楽:菅野よう子
アニメーション制作:サンライズ




<キャスト(主要)>

ロラン・セアック:朴璐美
ディアナ・ソレル、キエル・ハイム:高橋理恵子
ソシエ・ハイム: 村田秋乃
ギム・ギンガナム:子安武人






《ワンツイートレビュー》

月の女王・ディアナと地球の令嬢・キエル。瓜二つの二人がふとした遊び心で入れ替わったことをきっかけに月と地球の争いは予想外の壮大な物語へと発展していく。良回、名作回てんこ盛りのまさに名作保証書付き作品。アニメ史に刻まれし最終話の至福の感動を是非味わって欲しい。





∀ガンダム イメージ2 85




【はじめに】


∀(ターンエー)ガンダム(以下「∀」)――放送当時こそ、髭ガンダムと揶揄されたガンダムの異端的デザインや、派手さのない序盤のゆったりした展開に不評の声も決して少なくはない作品だったと聞くが(筆者は本放送から随分経った後に視聴した)、今では名作という評価の定着した、本企画で取り上げるに相応しい作品なのではないかと思う(因みに、個人的に本作品の弱みとして挙げられる点といえば、あとはラスボスの描きの物足りなさぐらいなものである)。

◆巨匠シド・ミード(代表作は『ブレードランナー』、『スタートレック』、等)による今なお圧倒的な斬新さで強烈な存在感を放つメカデザインと、安田朗氏(代表作は『ファイナルファイト』、『ストリートファイターII』、等)がデザインした魅力的なキャラ達が異色の融合を果たした唯一無二の世界観(二人のキャスティングを主導した富野監督の采配は流石としかいいようがない)
◆名作回連発の末アニメ史に残る至福のラスト(第50話「黄金の秋」)で幕を閉じる物語(脚本)の素晴らしさ
◆膨大な作品群を誇るガンダムシリーズにおける極めて重要な設定的立ち位置
◆カリスマ作曲家・菅野よう子氏が監督特有の難解なオーダーに完璧に応えてみせた渾身の劇伴(「軍靴の記憶」、「Moon」、などなど、挙げれば枚挙にいとまがないが、一緒に流すだけでその映像が特別なものになるような力を備えた楽曲で溢れている作品が「∀」だ)
◆音響監督・鶴岡陽太氏による、画面から作品世界の空気感だけでなく作中に流れる心地よい時間の流れまでもが感じられる効果音の存在感

――などなど、このような多岐に渡る構成要因が本作を名作といわせるのだろう。

今回は、その中で私が特に本作品の核として重要視している「物語」――の更に核の部分を担っている『とりかへばや物語』から着想を得たという「入れ替え設定」――について中心的に取り上げたいと思う。語ろうと思えばいくらでも語れる点の多い作品なだけに、長文を避けるため本記事では主にこの点に焦点を絞ることにする。




 
【見どころ・視聴ガイド】


【注目話数】






■ 作品評価     【名作】 ※超神回



傑作 絶対観た方がよい作品 
【名作】 観るべき、マストではずせない作品 
【良作】 観た方がよい(がマストではない)作品
【佳作】 時間があるなら観ることを勧めたい作品 
【水準作】 普通だが見どころはある作品

【凡作】 酷いが全否定ではない、どこか残念な作品 
【失敗作】 ほぼ全否定、何とも残念な作品 
【駄作】 取り上げる価値もない作品


【傑作・名作】 傑作と名作の中間
【傑作>名作】 傑作寄り
【傑作<名作】 名作寄り
※惜作 (名作になりえた惜しい作品)
※超神回 (ずば抜けて素晴らしい名作回がある作品)

◆ 作品評価順リスト(=「見て損はない作品」ランキング )はこちら




 
■ レーダーチャート評価  


∀ガンダム レーダー
【総得点/Ave.】   745/93.1
――――――――――――――――――――――――――――――――
世界観 : 100
脚本/構成 : 100
演出 : 95                グループA:Ave. 98.3
――――――――――――――――――――――――――――――――
キャラ : 95
演技(声優) : 95            グループB:Ave. 95
――――――――――――――――――――――――――――――――
引き : 70 
劇伴 : 95                グループC:Ave. 82.5
――――――――――――――――――――――――――――――――
作画 : 95         
――――――――――――――――――――――――――――――――


100 唯一無二、これ以上はそうそう望めない最高峰 
95   最高、傑作レベル、文句なし、その作品にとってなくてはならない 
90   めちゃくちゃ良い、名作レベル
85 
80   かなり良い(強い、巧い)、良作レベル 
75   良い(強い、巧い)
70   なかなか良い(強い、巧い)、佳作レベル
65
60   普通、水準作レベル、少々物足りないが及第点は出せる 
50   凡作レベル、2流  30  失敗作レベル、3流  0  駄作・愚作レベル


※ 各パラメータが含むもの、点数の付け方など、詳しくはこちら
※ Ave.と作品評価は別、つまりAve.が75でも【名作】にすることは可能
◆ 総得点順作品リストはこちら





■ ネタバレ厳禁度   


★★☆☆☆  (ほとんど問題なし)







 

【見どころ・視聴ガイド】





月の民、ムーンレィスの少年ロランは、地球帰還作戦を前に環境適応テストのため地球へ降下。地球での暮らしになじんだ頃、突然月の軍隊ディアナ・カウンターが地球に降下、地球軍と戦闘となる。ロランは月と地球の平和共存を望みつつ、地球側の人間として“∀ガンダム”に乗り、同胞たちと戦うことになるのだった。



バンダイチャンネルのサイトから引用させていただいた本作のあらすじだ。

元は月側のスパイでありながら、地球で出会ったハイム家の人々の優しさに触れたことで、月と地球どちらも大切に思い共存の道を探る心優しい少年・ロランを主人公に据えながらも、本作は実に多様な性格と目的を持ったキャラクター達の戦争に翻弄されながら生きる数奇な人生を描き出した群像劇としての側面の強い作品だといえる。

中でも、瓜二つの容姿を持つハイム家の令嬢・キエルと月の女王・ディアナの人生は、ロランのそれと同等といってもよいぐらいに本作の(面白さの)中核を担っている。そして、彼女達の人生を数奇かつ壮大なものにしているのが「入れ替え設定」というわけである。

先に、派手さのない序盤のゆったりした展開に不評の声も決して少なくはない作品だったと述べたが、序盤は確かにスロースタートな作品である印象は否めないし、退屈に感じてしまう人も多いかもしれない。しかし、キエルとディアナがふとした遊び心から互いの衣装を交換して入れ替わってしまう10話「墓参り」から急激に面白さが増すので、とりあえずここまでは何とか観て欲しいと思う。
またこの10話こそは、「入れ替え設定」の妙がいきなり発揮され本作屈指の名作回を生んだ注目話数であると同時に、至福の最終話への道筋を定めた決定的な第一歩でもある。



∀ガンダム イメージ キエルとディアナ



キエルは、容姿端麗で秀才だが、どこか真面目すぎで物足りない、いってしまえば主役になるには少々個性や存在感に欠けるキャラであるというのが私が序盤で抱く印象なのだが、月の女王と入れ替わり、その大役をこなす中で信じられないような成長を遂げていく。主張に欠けるキャラがこのような形でかけがえのないキャラへと大きく成長していく描き方は、見事だと思うのである。
17話「建国のダストブロー」は、そんなキエルの成長を示す、これもまた名作回だ。

一方、ディアナは序盤から女王として主役たりえる存在感を放っているのだが、元々入れ替わりを提案したのが彼女であったように、長きに渡って女王としての大役を務める重責にうんざりしている節のある聡明かつ好奇心旺盛な茶目っ気溢れるキャラだ。そんな彼女が念願叶って庶民の世界に自由の身で飛び込んでいった先で見せる、彼女の根幹にある優しさと誠実さが自然にそうさせる行動の数々には大きく胸打たれる。上に立つ者の資質を完璧に備えた生まれながらにしての女王、そんな印象すらある。
先の10話もそうであるし、21話「ディアナ奮戦」(ガンダムが洗濯することで有名なこの話数は、日常系ガンダム?としてのポテンシャルすら感じさせる異色の重要回)、48話「ディアナ帰還」なども彼女の人格の良さと存在感の大きさが滲み出たような行動に胸打たれる名作回だ(35話「ザックトレーガー」はキエルとディアナの二人が同時に魅力を放った同じく名作回)。
とにかく魅力的なキャラであり、個人的な意見を述べさせてもらえば、「ディアナ様」がいたからこの作品を最後まで観た、といっても決して大袈裟ではないほどである。(笑)


全50話という壮大な時間の中でゆっくり、ゆっくりと丁寧に語られる(ここが大事)身近な人々の暮らしや地球と月それぞれの側の立場。その中で、心にぐっとくる名シーンがいくつも刻まれ、そして徐々に明らかになっていく「黒歴史」の謎とともに、いよいよ過去のガンダム世界と接続していく。気がつけばもうどっぷり∀の世界に引き込まれていて……。



初見時はだいたいこんな感じで見ていたし、本作の魅力もこういうところにあるのだと思う。

地球と月それぞれの側の立場を分け隔てなく描く、どちらが善でも悪でもない、善とされていたものが悪に反転する――といったあたりのテーマや描き方は、連邦とジオンに象徴される初代ガンダム含め、富野監督がこれまで一貫して描いてきたものだ。
このような描き方をするにあたっても、「入れ替え設定」というのはやはり非常に重要でクリティカルな設定であったと思うのだ。

月と地球それぞれの事情をよく知る者を逆の側に入り込ませるというのがまずなんといっても巧い。これによって、正体がばれる!というスリリングな展開、ばれた時にこれまで築き上げた人間関係にどう変化が生じるかを描けるドラマ的面白さといったエンタメ性を獲得しつつ、互いの立場を炙り出すという目的も同時に達成できるのである。
もちろん、月と地球の両者の間に立つロランの視点も重要であり(8話「ローラの牛」などは、両者の間で葛藤するロランの優しさが垣間見れる名作回)、ディアナ、キエル、ロランの3人の視点(人生)を軸に描き出される豊潤なドラマと世界観が本作の大きな魅力のひとつということになるだろう(注目話数としては、他に、20話「アニス・パワー」、25話「ウィルゲム離陸」、33話「マニューピチ攻略」、36話「ミリシャ宇宙決戦」なども良回だ)。



∀ガンダム イメージ4p



ガンダムの話題が出たので、ガンダムシリーズとしての本作の魅力についても最後に簡単に触れておこう。

先に述べた、膨大な作品群を誇るガンダムシリーズにおける極めて重要な設定的立ち位置に関しては、世間的に広く語られるようになり周知の事実となった印象もあるし今更な気もするが、一応本企画の趣旨に基づいてこれ以上の言及は避けておこうと思う。この部分に関しては、物語最終盤に明かされるので、未見の方は是非楽しみにしていただければと。

遺跡から発掘されるMS(モビルスーツ)の通なセレクトや、世界名作劇場ガンダムなどとも一部で好意的に称されるシリーズとしては異色の柔らかい肌触りの世界が徐々に過去のガンダム世界へと接続されていく過程、等、最後に明かされる重要な設定含め、ガンダムについてある程度知っていた方がより楽しめる作品であるのは間違いないのかなと思う。
それでも、これまで述べてきたような、地球人と月の民という元は同じ故郷を持つ人々が、どのように戦い、歩み寄り、そしてどのような結末を辿ったのかを描いた物語には、名作たりえる、多くの人の心に響く普遍性があると私は信じてやまない。

最終話「黄金の秋」は、そんな壮大な物語の結末とエピローグを贅沢な長尺を用意して磐石に描いてみせたアニメ史に残る、これまでこの作品を見てきた全ての者を幸せにしてくれる最高のラストであろう。

是非この言葉では言い表せない至福の感動、「∀」の世界を味わって欲しい――そう願いながら筆を置くことにする。



 
【注目話数】



【見どころ・視聴ガイド】で名作回として紹介した特に注目の話数について以下に整理しておくので、参考にしていただけたらと思う。





・ 第8話 「ローラの牛」

 脚本:高橋哲子/演出:渡邊哲哉/コンテ:横田和/作画監督:鈴木藤雄



・ 第10話 「墓参り」

 脚本:高山治郎/演出:山口美浩/コンテ:斧谷稔、菱田正和/作画監督:しんぼたくろう、中田栄治



・ 第17話 「建国のダストブロー」

 脚本:浅川美也/演出、コンテ:森邦宏/作画監督:鈴木藤雄



・ 第21話 「ディアナ奮戦」

 脚本:星山博之/演出:渡邊哲哉/コンテ:横田和/作画監督:佐久間信一



・ 第35話 「ザックトレーガー」

 脚本:斧谷稔、星山博之/演出:西森章/コンテ:斧谷稔、西森章/作画監督:しんぼたくろう、中田栄治



・ 第48話 「ディアナ帰還」

 脚本:高山治郎/演出:南康宏/コンテ:奥田誠治、斧谷稔/作画監督:佐久間信一



・ 第50話 「黄金の秋」

 脚本:浅川美也/演出:森邦宏/コンテ:斧谷稔、川瀬敏文/作画監督:後藤雅巳、菱沼義仁





∀ガンダム イメージ3





執筆者 PIANONAIQ (@PIANONAIQ



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テーマ : 機動戦士ガンダムシリーズ全般
ジャンル : アニメ・コミック

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◇ 作品記事総数:73

【傑作】8
【名作】23
【良作】20
【佳作】16
【水準作】5
【凡作】0
【失敗作】1
【駄作】0

※惜作 4 ※超神回 4

(【傑作>名作】は【名作】とする)


◇ コラム記事総数:3

(2019年6月19日現在)
 
 

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傑作 絶対観た方がよい作品

【名作】 観るべき、マストではずせない作品

【良作】 観た方がよい(がマストではない)作品

【佳作】 時間があるなら観ることを勧めたい作品

【水準作】 普通だが見どころはある作品


【凡作】 酷いが全否定ではない、どこか残念な作品

【失敗作】 ほぼ全否定、何とも残念な作品

【駄作】 取り上げる価値もない作品



【傑作・名作】傑作と名作の中間
【傑作>名作】傑作寄り
【傑作<名作】名作寄り
※惜作 (名作になりえた惜しい作品)
※超神回 (ずば抜けて素晴らしい名作回がある作品)


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