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★【傑作>名作】『カウボーイビバップ』(1998/Ave.91.3) text by 闇鍋はにわ 

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作品NO.69 『カウボーイビバップ』




カウボーイビバップ 6 95


 

カウボーイビバップ レーダー5 【傑作>名作】 2クール


世界観:95 脚本/構成:90 演出:95 
キャラ:95 演技(声優):90  引き:80 劇伴:95 作画:90


Ave.91.3   詳しくはこちら     ネタバレ厳禁度:★★☆☆☆





1998年4月~6月
テレビ東京、WOWOW、他
全26話オリジナル作品
ドラマ・アクション・SF




監督:渡辺信一郎
原作:矢立肇
シリーズ構成:信本敬子
キャラクターデザイン:川元利浩
メカニックデザイン:山根公利
音楽:菅野よう子
アニメーション制作(TV版):サンライズバンダイビジュアル
(劇場版):サンライズボンズバンダイビジュアル




<キャスト(主要)>


スパイク・スピーゲル:山寺宏一
ジェット・ブラック:石塚運昇
フェイ・ヴァレンタイン:林原めぐみ
エド:多田葵

 



《ワンツイートレビュー》



洒落た台詞回しとビターな味わいを下敷きに毎回異なる姿を見せ、国内外を問わず熱狂的なファンを坩堝のように取り込んだSFアニメ。ノスタルジックになることを確信して作られたであろう、時代遅れ達に贈る子守唄。そしてセピア色に輝き続ける名作


 
 


《目次》



【あらすじ】

【本作について】
【本作の喫煙描写について】
【時代遅れ達の物語を、放送された時代から遅れて見る】


【視聴ガイド】


【作品を見るには】

【視聴終了後に閲覧をおすすめしたい感想】







◆ 作品評価     【傑作>名作】   



傑作 絶対観た方がよい作品 
【名作】 観るべき、マストではずせない作品 
【良作】 観た方がよい(がマストではない)作品
【佳作】 時間があるなら観ることを勧めたい作品 
【水準作】 普通だが見どころはある作品

【凡作】 酷いが全否定ではない、どこか残念な作品 
【失敗作】 ほぼ全否定、何とも残念な作品 
【駄作】 取り上げる価値もない作品


【傑作・名作】 傑作と名作の中間
【傑作>名作】 傑作寄り
【傑作<名作】 名作寄り
※惜作 (名作になりえた惜しい作品)
※超神回 (ずば抜けて素晴らしい名作回がある作品)

◆ 作品評価順リスト(=「見て損はない作品」ランキング )はこちら




 
◆ レーダーチャート評価   


カウボーイビバップ レーダー
【総得点/Ave.】   730/91.3
――――――――――――――――――――――――――――――――
世界観 : 95
脚本/構成 : 90
演出 : 95                 グループA:Ave. 93.3
――――――――――――――――――――――――――――――――
キャラ : 95
演技(声優) : 90             グループB:Ave. 92.5
――――――――――――――――――――――――――――――――
引き : 80 
劇伴 : 95                 グループC:Ave. 87.5
――――――――――――――――――――――――――――――――
作画 : 90         
――――――――――――――――――――――――――――――――


100 唯一無二、これ以上はそうそう望めない最高峰 
95   最高、傑作レベル、文句なし、その作品にとってなくてはならない 
90   めちゃくちゃ良い、名作レベル
85 
80   かなり良い(強い、巧い)、良作レベル 
75   良い(強い、巧い)
70   なかなか良い(強い、巧い)、佳作レベル
65
60   普通、水準作レベル、少々物足りないが及第点は出せる 
50   凡作レベル、2流  30  失敗作レベル、3流  0  駄作・愚作レベル


※ 各パラメータが含むもの、点数の付け方など、詳しくはこちら
※ Ave.と作品評価は別、つまりAve.が75でも【名作】にすることは可能
※ これまで扱った全作品の採点等は作品評価順リストの方に纏めています





◆ ネタバレ厳禁度   



★★☆☆☆  (ほとんど問題なし)





 

【あらすじ】





位相差空間ゲート]によって短時間で惑星間を航行できるようになり宇宙時代を迎えていた未来の太陽系。

 賞金の掛かった犯罪者を追って宇宙を飛び回る、通称"カウボーイ"と呼ばれる賞金稼ぎが生業のスパイクジェットは元マフィアと元警官。

 記憶喪失の上に莫大な借金を背負っている謎の女フェイ、野生児のような天才ハッカーのエド、人間並みの知能を持つデータ犬アインが加わって4人と1匹が惑星間航行船ビバップ号で奇妙な共同生活を送ることになる。



カウボーイビバップ 9



(公式サイト世界説明より)
http://www.cowboy-bebop.net/world/index.html



 

【本作について】





カウボーイビバップ 4 78



 1998年に放送された、アニメ史に名を残す大ヒット作。2001年には劇場版「カウボーイビバップ 天国の扉」も公開された。先進性と退廃性を併せ持つ舞台設定、人種要素の前面に出たキャラクターデザインなどが強固な立体性を持ち、個々の人物に安易な共感を許さぬリアリティを発揮させている。


 かと言ってアーティスティックで人を選ぶタイプかと言えばそんなことはなく、思わずリズムを刻みたくなるジャズやブルースなど菅野よう子の劇伴(サントラ第1弾は第13回日本ゴールドディスク大賞にて「アニメーション・アルバム・オブ・ザ・イヤー」受賞)、軽妙洒脱という表現がぴったりの小粋な台詞回しは視聴者を容易に作品世界へ没入させてくれる。特に主人公スパイクの常に軽口を忘れないタフさには憧れる人も多いだろう。



 底流にはハードボイルドタッチな描写によるビターさがあるが、主に1話完結で描かれる物語はむしろ雑多であり一本調子に感じられることはない。1人の人間の中に喜怒哀楽4色の感情全てがあるようにどの話も異色であると同時にスタンダードであり、本作の引き出しの多さを感じさせてくれる。



 本作の魅力を総括的に書けばこのようになる。とは言えこういった書き方では既に他の方が書かれているものに遠く及ばないだろうし、この作品は娯楽性に満ちているので前情報なしで見ても困惑することはない。

 本稿では放送から長い時間が流れた今だから気になる、あるいはいっそう強く感じられるであろう部分に絞って書いてみたい。






 

【本作の喫煙描写について】





カウボーイビバップ 2 78

カウボーイビバップ 3 78



 1998年放送の本作、初めて視聴した人は煙草の描写の多さに驚くことだろう。なにせ主要キャラ4人と1匹の内3人が喫煙者なものだから、画面に紫煙が漂う回は珍しくもないし、場面場面を印象付ける演出アイテムとして多用されてもいる。放送当時は健康増進法の施行前、公共の場所での喫煙がさほどおかしくないご時世だったにしても多い。今なら考えられない画面作りであり、同時代のものと比較しても本作の特徴となっている。


 しかし、ならば現在見るには演出や価値観が「時代遅れ」になってしまった古いアニメか……というとそう簡単には片付けられない。ゲストの少女のために禁煙ルールが設けられる回があるなど必ずしも「煙草、カッコいいだろ?」とだけ描かれているわけではないし、1話で何者か問われた主人公スパイク「時代遅れのカウボーイさ」と答えている。本作は「時代遅れ」というものに独特な感覚を持ち合わせているのだ。





 

【時代遅れ達の物語を、放送された時代から遅れて見る】





カウボーイビバップ 5 78



 本作の人類は木星の衛星や金星にすら居住圏を広げているが、その宇宙進出の経緯はけして煌びやかなものではない。事故によって地球がまともに住むのに適さない星になってしまい、否応なく宇宙に出ざるを得なくなってしまったというのが実情だ。そんな形で起きた急速な時代の変化は歪みをはらみ、それについていけず犯罪に走る人間(賞金首)を多数生み出す。本作の世界は、その歴史と構造自体が大量の時代遅れを生み出すようになっている


 時代遅れは時代についていけないが、彼らも当然生きている。しかし無理に差を埋めようとしてもできるものではなく、そんなことをした人間は時代と自分のズレに引きちぎられてしまう。多くの場合、本作はそうして死人を積み重ねていくのだ。酷いものになると、「スパイクともっと早く知り合えていたら友達になれた=出会うのが時代遅れだった」ために死んでしまう者もいる。


 そして、時代遅れの賞金首を捕まえて銭を得るカウボーイ(賞金稼ぎ)もまた、時代遅れの片割れであることに変わりはない(賞金首情報を提供する番組「BIG SHOT」は低視聴率にあえいでいる)。職業を抜きにしても、喫煙者の3人はどこかしらに時代遅れの要素を抱えてしまっている。そういう者同士で描かれるドラマだから、本作はいつも苦味を伴う



 人は誰しも歳をとり、いつか時代から遅れていく。自分が中心にいられた時代がどんなに素敵な場所であったとしても、そこにずっと居続けることも戻ることもできはしない。しかしそれは、過去の存在まで否定するものではない。



 どんなに古びて見えても、叶うことすらなかったものでも、それは確かに光り輝いていた。そしてその輝きはむしろ、遠くにあればあるほど増して見える。だから本作も演出が時代遅れになるほど、価値観が色褪せるほど逆に美しくなっていく。これから視聴した人はきっと、時を経て味わいを深めた古酒のように本作を楽しむことができるだろう。




カウボーイビバップ 12 70





 

【視聴ガイド】





 このように独特の味わいを持つ作品だが、基本的に1話完結のため視聴はしやすい。内容も煙草の演出の生きるハードボイルドに限らず、シニカルな回もあればゾワゾワするホラーもあり、浪花節じみた内容にしんみりさせられることもあればドタバタぶりに腹を抱えて笑ってしまうこともあるだろう。


 それぞれのジャンルの個性を強く持った劇伴に彩られ、一方で小粋な台詞運びによる統一感はどこまで行っても「カウボーイビバップ」を外れることはない。



 映像面も当時の手描きメカニックの金属の硬質感後のボンズへと繋がる豊かなアクションなど端的に言って隙がない。特に劇場版(下図)は画面サイズがTV版の4:3から変更されたことで、クオリティアップに留まらない世界の広がりを感じることができる。



 話数に関して言えば、多くの人の第1印象に則った格好良さは1話「アステロイド・ブルース」や3話「ホンキィ・トンク・ウィメン」で存分に感じられるだろうし、エドの初登場となる9話「ジャミング・ウィズ・エドワード」ではそれまでのイメージが覆されること請け合い。14話「ボヘミアン・ラプソディ」では彼方に行ってしまったものに寂しさを覚える一方、18話「スピーク・ライク・ア・チャイルド」では逆に遠くから励ましを受けたような心地になれる。


などと挙げてはみたが、全ての話数は代替不可の個性を持っているのでベストは見た人によって大きく変わるだろう。個人的には中尾隆聖の青年の演技が拝め、喪失感とそれ故の固定された過去の美しさを感じられる8話「ワルツ・フォー・ヴィーナス」を選びたい。




カウボーイビバップ 11 90
 

『カウボーイビバップ 天国の扉』(2001年)   





 

【作品を見るには】




NETFLIX、hulu、バンダイチャンネル、dアニメストア等

https://www.netflix.com/jp/title/80001305
https://www.happyon.jp/cowboy-bebop
https://www.b-ch.com/titles/130/
https://anime.dmkt-sp.jp/animestore/ci_pc?workId=11314






 

【視聴終了後に閲覧をおすすめしたい感想】




カウボーイ・ビバップ感想・考察|長年愛され続ける作品の理由
http://xn--u9j9e1eqdx275ccnra.com/cowboy-378

アニメの話題(@WadaiAnime)さんの、作品全体に通底するテーマを見事に突いた良文。読めばきっともう一度見たくなるはず。
「アニメの話題を語り合うブログ」より




カウボーイビバップ 1 85






執筆者 : 闇鍋はにわ(@livewire891


ブログ「Wisp-Blog」
http://craft89.blog105.fc2.com/

「カウボーイビバップ」24話はなぜゆで卵を食べるのか
http://craft89.blog105.fc2.com/blog-entry-3231.html





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◇ 作品記事総数:73

【傑作】8
【名作】23
【良作】20
【佳作】16
【水準作】5
【凡作】0
【失敗作】1
【駄作】0

※惜作 4 ※超神回 4

(【傑作>名作】は【名作】とする)


◇ コラム記事総数:3

(2019年6月19日現在)
 
 

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