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★【名作】『UN-GO』(2011/Ave.88.1) text by 絵樟

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作品NO.62 『UN-GO』




UN-GO イメージ 1 56


 

アンゴ レーダーチャート小5 【名作】 1クール


世界観:80 脚本/構成:95 演出:85 
キャラ:95 演技(声優):90  引き:85 劇伴:90 作画:85


Ave.88.1   詳しくはこちら     ネタバレ厳禁度:★★★★☆




2011年10月~12月
フジテレビ「ノイタミナ」
全11話小説原案坂口安吾明治開化 安吾捕物帖』)
ミステリ・SF・近未来・文学




監督:水島精二
ストーリー・脚本:會川昇
キャラクターデザイン:pako高河ゆん
アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督:稲留和美矢崎優子やぐちひろこ
美術監督:脇成志
音楽:NARASAKI
アニメーション制作:ボンズ




<キャスト>

結城新十郎:勝地涼
因果:豊崎愛生
海勝梨江:山本希望
虎山泉:本田貴子
速水星玄:入野自由
海勝麟六:三木眞一郎




 


今でも/今こそ――2018年の『UN-GO』




絵樟(@EX5551





◇ はじめに 





 『UN-GO』は、2011年10月~12月にフジテレビのノイタミナ枠で放送されたTVアニメ―ション作品です。TV放送と並行して期間限定上映された劇場版『UN-GO episode:0 因果論』も存在します。


 全11話+中編の劇場版という、決して長くはないコンパクトな尺の作品ですが、放送から7年経った2018年の今も私の心を惹き付けて止みません。その魅力の源は何なのか、そして未見の方へのおススメポイントをいくつかの視点からファンの贔屓目たっぷりに紹介していきたいと思います。

 文章中である程度作品の設定やストーリーにふれていますが、各話の事件の真相ネタバレ等はありませんのでご安心ください


 また、今回の論考の内容は羽海野渉氏が発行された評論同人誌『PRANK! Vol.1』に寄稿させていただいたものと一部重複しています。あちらは主に映像演出やモチーフについての論考で、今回のものと全体的にはまた違った内容になっております。よろしければ『PRANK! Vol.1』の方も是非もご覧ください。
https://landscapeplus.jimdo.com/publication/prank/



 願わくは、新たに『UN-GO』に魅せられる方が一人でも増えんことを。





UN-GO イメージ 1 2
 

 



【目次】
 

◇ 作品構造
◇ キャラクター
◇ ミステリ作品として
◇ 坂口安吾原案作品として
◇ 時代性

◇ おわりに


《参考資料》  




◆ 作品評価     【名作】   



傑作 絶対観た方がよい作品 
【名作】 観るべき、マストではずせない作品 
【良作】 観た方がよい(がマストではない)作品
【佳作】 時間があるなら観ることを勧めたい作品 
【水準作】 普通だが見どころはある作品

【凡作】 酷いが全否定ではない、どこか残念な作品 
【失敗作】 ほぼ全否定、何とも残念な作品 
【駄作】 取り上げる価値もない作品


【傑作・名作】 傑作と名作の中間
【傑作>名作】 傑作寄り
【傑作<名作】 名作寄り
※惜作 (名作になりえた惜しい作品)
※超神回 (ずば抜けて素晴らしい名作回がある作品)

◆ 作品評価順リスト(=「見て損はない作品」ランキング )はこちら




 
◆ レーダーチャート評価   


アンゴ レーダーチャート
【総得点/Ave.】   705/88.1
――――――――――――――――――――――――――――――――
世界観 : 80
脚本/構成 : 95
演出 : 85                 グループA:Ave. 86.7
――――――――――――――――――――――――――――――――
キャラ : 95
演技(声優) : 90             グループB:Ave. 92.5
――――――――――――――――――――――――――――――――
引き : 85 
劇伴 : 90                 グループC:Ave. 87.5
――――――――――――――――――――――――――――――――
作画 : 85         
――――――――――――――――――――――――――――――――


100 唯一無二、これ以上はそうそう望めない最高峰 
95   最高、傑作レベル、文句なし、その作品にとってなくてはならない 
90   めちゃくちゃ良い、名作レベル
85 
80   かなり良い(強い、巧い)、良作レベル 
75   良い(強い、巧い)
70   なかなか良い(強い、巧い)、佳作レベル
65
60   普通、水準作レベル、少々物足りないが及第点は出せる 
50   凡作レベル、2流  30  失敗作レベル、3流  0  駄作・愚作レベル


※ 各パラメータが含むもの、点数の付け方など、詳しくはこちら
※ Ave.と作品評価は別、つまりAve.が75でも【名作】にすることは可能
※ これまで扱った全作品の採点等は作品評価順リストの方に纏めています





◆ ネタバレ厳禁度   



★★★★☆  (要注意。ネタバレによって面白さ・衝撃度が低減する可能性あり)


ネタバレが魅力低減に直結するタイプの作品ではないと思っていますが、形式としては推理物なので……。





 


◇ 作品構造





 まず、『UN-GO』は視聴にあたって間口が広く浅く誰もが一度で全てを理解できる作品――ではありません。出だしからえーって感じなのですが、これはもう本作の構造上偽りようのない事実です。


 『UN-GO』には原案作品があり、『堕落論』等で著名な文豪・坂口安吾による明治初期を舞台とした探偵小説『明治開化 安吾捕物帖』(以下、『安吾捕物帖』)です。作品内の時代背景や事件、人物等は執筆当時の昭和20~30年代のものと意識的に重ねて描写されています。そしてそれをアニメ化した本作では時代設定を今から10、20年程先の近未来に移しています。そこで描かれる事件もまた現実社会(2011年当時)の時事とリンクさせるという、原案の手法に則ったものになっています。


 つまり、『UN-GO』には「明治初期」「戦後昭和」「現代」「近未来」という四つの時代のフィルターが重ね合わされているのです。そして描かれる事件やキャラクターが各時代の要素と呼応し、さらに何重もの意味付けが行われています。さらに第7話8話のエピソードでは、ある仕掛けにより作品内にもう一つの箱庭的世界が出現し、その中でもストーリーが進むという展開になったりします。


 また、劇場版の『因果論』はTVシリーズ本編の前日譚となっており、これを経由してから本編を観直すと一つ一つの描写により深い味わいが出てくる……という作りになっています。
 

 こうした多重構造により本作が短い話数の中に膨大な情報量を宿しているからこそ、初見で全てを把握するのは極めて困難というわけです。けれどそれは逆に捉えれば繰り返し視聴するに値する奥深さがあるということで、実際に未だ自分含めて根強いファンが多くいる要因なのではないでしょうか。






 

◇ キャラクター





 それでもやはり初見の人にとってはハイコンテクストな作品には違いないわけで、では結局観る人を選ぶニッチなものでしかないのかというと、それも否です。
 構造的には非常に複雑な作品である一方、単純に「キャラ萌え」で終始観ていられるというのも本作の特長です。

 『UN-GO』はキャラクターデザインにpako高河ゆんを起用しています。気鋭のイラストレーターと漫画家によって登場人物達は美麗なヴィジュアルを与えられており、推理物という作品スタイル上どうしても静的な場面が多くても、彼らが佇んでいるだけで画が「保つ」のです。そうした外面だけでも十分に魅力的ですが、さらに重要なのはその彼らの内面です

 作中の近未来世界では、日本がある国に行った海外派兵を発端として報復の国内テロが勃発し、日本はその対テロ戦争に事実上「敗戦」します。その傷痕も未だ癒えない社会に『UN-GO』のキャラ達は生きており、誰もが自分の人生に何かしらの歪みを被っています。そこから事件が巻き起こり、人々は事件関係者として登場し、メインキャラは主に事件を解決する側として奔走します。その過程で眉目秀麗なキャラ達がふと生々しい心情や葛藤を吐露する瞬間、そこにアニメ独特の実在感が生まれ、彼らをたまらなく身近に感じることができるのです。



UN-GO イメージ 8 85



 そうした魅力は主人公の結城新十郎がまさに最たるものです(上図)。

 作中の社会は通信メディア企業会長の海勝麟六に牛耳られており、発生する事件も彼によって真実とは異なる世間に都合の良い「美談」として処理されてしまいます。新十郎は探偵として麟六に立ち向かうも毎回勝つことはできず“敗戦探偵”の汚名ばかりが積み上がっていく、というのが毎話のパターンです。世間が耳触りの良い麟六の美談に迎合する中でも真実に目を向けようとするスタンスそのものが、彼をもう一つの呼称である“最後の名探偵”たらしめているのです。
 しかし新十郎は完全無欠のヒーローではなく、彼もまた弱さを抱える人間の1人に過ぎません。事件関係者に感情移入して真相解明を躊躇ったり、自らの先入観で真実を見誤ったりすることも少なくありません。そんな欠陥があるからこそ、彼が事件の犯人とそこに共感する者を一方的に指弾するだけの展開にならず、ひいては作品全体としても視聴者を置き去りにして話のテーマが先走ってしまうような事態にもならない。新十郎の迷える主人公としての在り方が本作の優しさの核となっているのです。
 


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 他にも、温室育ちのお嬢様な一方で絶妙にお転婆な海勝梨江(上図)、新十郎の相棒として謎めいた能力を発揮するも基本的にはやんちゃな魔少年である因果、冷静有能な人工知性だけれどどこかお茶目な佐々風守(下図)……等々、どのキャラも何かしらのギャップ萌えを抱えています。とにかく彼らの人間臭さを追いかけていれば、作品の中心に自然とピントを合わせて観ることができるはずです。


 また、数多の愛すべきキャラ達を演じるキャスト陣にも今でこそ注目すべきでしょう。主人公の新十郎を演じるのは今や人気俳優の勝地涼。アニメ作品の主演に本職声優ではない人物を起用するというのはいつの時代も賛否が分かれる試みですが、本作では彼の良い意味での異物感が新十郎の朴訥なキャラと十二分にマッチして相乗効果を上げています。ヒロインの梨江にはメインキャラ級の役柄は初の新人声優だった山本希望、風守には2018年にドラマ『ホリデイラブ』『ブラックスキャンダル』等で改めて注目された松本まりか。彼らのブレイク前夜の確かな仕事ぶりを振り返る意味でも、『UN-GO』は是非おススメです。





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◇ ミステリ作品として





 作品構造やキャラ・キャストで『UN-GO』を捉えてきましたが、ここからはジャンル作品の視点から覗いてみましょう。
 本作をエンタメのジャンルで分類する場合、まずは「ミステリ」がメインになるでしょう。そこから分析した場合、本作がミステリとしてかなり挑戦的な作品であることが分かります。

 ミステリには「フーダニット(犯人当て)」や「ハウダニット(トリック解明)」等様々な形式がありますが、『UN-GO』は犯人の動機を問う「ホワイダニット」に重きを置いています。

 第1話で殺人が発生した時、皆が犯人を探す中で新十郎は呟きます。

 “問題は「誰が」ではなく「何故」かもしれないな”

 まさに、この作品ではホワイダニットをやりますよという宣言です。



 勿論毎回の事件の中で犯人やトリックの解決も行われるのですが、その上で犯人は何故犯行に及んだのかの解明が一番の盛り上がり所になります。そしてそこから犯行動機に関連する社会背景が浮かび上がり、本作の社会派SF要素へとスムーズに接続されていくのです。この構成により、『UN-GO』は物語とジャンル性を見事に融合させています


 また、本作は「後期クイーン的問題」と向き合った作品でもあります。ミステリ作家・法月倫太郎の言及から生まれた命題で、要約するならば「①探偵役も作中の登場人物である以上、神の視点を持ち得ない。故に、探偵役の解明した真実を100%信用できるのか」「②探偵役と事件の発生は不可分であり、探偵役の活躍は事件関係者を救っているとは言えないのではないか」というものです(「初期クイーン論」より)。
 前者については、新十郎の相棒である因果(下図)の「相手にたった一つだけ本当のことを言わせる」という特殊能力によって問題を上手く回避しているとされています(「[座談会]UN-GOと探偵小説」より)。そして後者については、ストーリーの中盤で「別天王」という新たな超常的存在が登場してから「新十郎の推理によって傷つく人間」「事件によって探偵役を呼び寄せる」要素に絡めた話が展開していきます。

 論理性を軸とするミステリと何でもありのファンタジーは余程上手く処理しない限り食い合わせが悪いような印象がありますが、『UN-GO』ではファンタジー的要素をむしろ作品の根幹に設定することにより、ミステリとしての強度を高めています


 このように、ミステリというジャンルの枠組みや表現方法を意欲的に突き詰めた作品としても一見の価値ありなのです。





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◇ 坂口安吾原案作品として





 改めて、坂口安吾作品のアニメ化という側面にも目を向けてみましょう。


 クレジット上は『安吾捕物帖』が原案ということになっていますが、厳密にはそれだけではありません。毎話『安吾捕物帖』のエピソードを下敷きにしつつ、安吾の他作品(『夜長姫と耳男』『アンゴウ』『白痴』等)の要素も織り交ぜています。また、新十郎が毎回事件解決のクライマックスで発する科白には安吾の評論や随筆(『堕落論』『余はベンメイす』『デカダン文学論』等)からの引用が多く含まれています。そして元作品の人物設定や文化風俗を巧妙に近未来のものに置き換えており、坂口安吾のファンではあれば作品のあちこちにそのモチーフを見つけることができるでしょう。


 そして、本作はただ安吾の作風や思想をトレースしただけでの作品ではありません。

 例えば、第5話「幻の像」では話の骨格は『安吾捕物帖』内の「幻の塔」と随筆の「特攻隊に捧ぐ」を元にしています。安吾は戦後に書いた文章で戦争や日本社会の旧弊を強く批判しており、「特攻隊に捧ぐ」でも特攻隊という仕組みを厳しく糾弾しています。しかしその一方で特攻隊の若者達自体には畏敬と称賛の言葉を送っています。文章は戦争批判と自己犠牲賛美の間を行き来し、最終的には以下のように着地します。

“青年諸君よ、この戦争は馬鹿げた茶番にすぎず、そして戦争は永遠に呪うべきものであるが、かつて諸氏の胸に宿った「愛国殉国の情熱」が決して間違ったものではないことに最大の自信を持って欲しい。
 要求せられた「殉国の情熱」を、自発的な、人間自らの生き方の中に見出すことが不可能であろうか。それを思う私が間違っているのであろうか。”

 『UN-GO』の第5話でも、原案と同じく若者達の自己犠牲を利用する者への批判と本人達への憧憬を対立させています。しかし、本作では結局死んだ者の真意を誰も知ることはないという戒めと勝手な願望投影の裏で利潤を得ている者への批判を最後に持ってきて終わります。用いているメッセージは原案のものでありつつ、その配置の順番を入れ替え微妙に指摘を足すことで、安吾の特攻隊へのアンビヴァレントな想いに批評的な視点を当てて表現しているのです。



UN-GO イメージ 9



 また、最終話で新十郎と宿敵の海勝麟六が改めて対立する一幕があります。その時に両者は自分のスタンスを言葉にして示すのですが、その科白はどちらも安吾の文章からの引用なのです。作品内で安吾の言葉を代弁するのは新十郎ただ一人ではなく、彼を含めた登場人物全体が安吾の似姿です


 このように、『UN-GO』は『安吾捕物帖』を中心とした坂口安吾の諸作品の集成であり、彼の作家性・人間性をその矛盾や迷いもひっくるめて丸ごと拾い上げ、人物・科白・物語全てを用いて現代に甦らせてみせた、まさに原義でのアニメーション(生命を吹き込む)作品と言えるでしょう。







 

◇ 時代性





 そして最後に、2018年の「今」本作を観る意味を考えてみましょう。


 前述した通り、原案の『安吾捕物帖』が明治初期の作品世界を昭和20~30年代の時事に重ね合わせて描いた手法を踏襲して、『UN-GO』もまた各エピソードに現代社会の時事を盛り込んでいました。

 第1話では「戦災からの復興」を目的としたパーティが開かれており、それは否が応でも東日本大震災直後の日本の状況を想起させます。また、復興資金と汚職・賄賂の関係はODA不正問題等も連想できるでしょう(『UN-GO OFFICIAL LOG BOOK』より)。続く第2話では娯楽の規制や著作物の違法アップロードが事件の背景にあり、第3話4話ではそれからテーマを引き継ぐようなかたちで表現と公序良俗の対立、創作者の倫理の領域に踏み込みます。そして第5話では自己犠牲者への感情移入の問題、第6話では民間刑務所、第78話では戦争を扱った作品へのスタンスなどが取り上げられます。第9話~11話の最終エピソードでは、サイバー犯罪やエネルギー利用の是非等が事件の中心となり、陰謀論への言及とともに9.11や3.11との向き合い方が科白によってほぼ直接的に語られます。また、劇場版の『因果論』では海外派兵や外国の武装組織に邦人が拉致・殺害された事件が元ネタとなっています。



 また、念のため書いておきますが、『UN-GO』はそれら諸問題について何か特定の信条や行動を要求するものではありません。ストーリー・脚本を務めた會川昇が“自分は作品を通して社会に一言物申したいわけではなくて、自分がいま生きていて、一歩家の外に出ればある空気をそのままアニメとか小説の中にふと流し込んだときに、やっと自分の作品ができあがるような気がするのです。”と語るように(「[座談会]UN-GOと探偵小説」より)、それはあくまでフィクションと現実の間の架け橋なのです。


 こうして振り返ってみると、『UN-GO』の各エピソードの題材となった時事は放送当時の2011年に耳目を集めていたのは勿論、あれから7年が経った2018年の今も現在進行形でより深刻化しているものばかりだということが明らかです。特に海外での邦人拉致については、2015年からシリアのテロ集団に拘束されていたジャーナリストが今年になって釈放された件で再び社会を席捲する話題となりました。表現の自由とその規制についても、ポリティカル・コレクトネスやフェミニズムと関連してますます切実な問題として議論されてきています。第4話での新十郎とある人物の道徳問答はより迫真性を増して響いてくることでしょう。



 『UN-GO』の社会派要素は、放映当時から時を経て色褪せるどころかむしろよりクリティカルなものとなって観る者に訴えかけてくるのです。あるいは、現実社会の方がかつて本作に風刺された未来に着実に近づいており、物語をより身近に感じられるようになってしまった、と言うべきでしょうか。






 

◇ おわりに





 他にも光陰の表現が素晴らしい作画演出や物語を常に統制する劇伴、小説版や漫画版等のメディアミックスの秀逸さ等々、語りたいことは尽きないのですが、論考のまとまりのために一旦ここで締め括らせていただきます。


 『UN-GO』を初めて観た時、「きっとこれは何年経っても残る作品になる」と思っていましたが、ここまでの強度と射程を備えたものだとは想像以上でした。「いつ観ても今観るべきアニメ」として『UN-GO』は存在しています。2011年当時の社会をリアルタイムで映した『UN-GO』から2018年今現在にも呼応した『UN-GO』までの間にその時々の『UN-GO』があり、そしてこの先も。
 

 観る人によって当然賛否は分かれるでしょうが、その重層性・時代性は唯一無二のものとして確かに心に刻まれると私は信じています。



 そしてまた何年後かに改めて本作を観直した時、そこには一体どのような新しい意味づけが生まれているのか――作中の新十郎の言葉を借りるなら、やはり“これからが楽しみ”で仕方がないのです。







 

《参考資料》 


  • 坂口安吾「特攻隊に捧ぐ」『占領軍検閲雑誌』雄松堂、1983年/引用は青空文庫より(https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/45201_22667.html
  • 日高昭二「『安吾巷談』・『明治開化安吾捕物帖』をめぐって―「開化」の終焉という逆説―」『国文学解釈と鑑賞』至文堂、1993年
  • 法月倫太郎「初期クイーン論」『現代思想』青土社、1995年
  • 編集・執筆:井上ゆかり、藤津亮太、野下奈生、野口智弘『UN-GO OFFICIAL LOG BOOK』学研、2012年
  • 構成:飯田一史「[座談会]UN-GOと探偵小説 會川昇×笠井潔×小森健太朗」『本格ミステリー・ワールド2013』南雲堂、2013年









執筆者 : 絵樟 (@EX5551



ブログ「江楠-weblog」にて、さらに詳細な『UN-GO』感想・考察も公開しています。

http://ex555weblog.blog.fc2.com/blog-category-15.html





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◇ 作品記事総数:71 

【傑作】8
【名作】22
【良作】19
【佳作】16
【水準作】5
【凡作】0
【失敗作】1
【駄作】0

※惜作 4 ※超神回 4

(【傑作>名作】は【名作】とする)


◇ コラム記事総数:2

(2018年12月24日現在)



★あり (メイン企画記事)
★なし (サブ企画記事)

1:1クール作品  2:2クール作品
4:4クール作品
(例)1尺以下・5分枠:1クール尺以下の5分アニメ



【傑作】


・ カレイドスター
 (※超神回 4/2003/92.5/NO.9)
 GONZO/佐藤順一


★ 学園戦記ムリョウ
 (2/2001/90.6/NO.6/テリー・ライス
 マッドハウス/佐藤竜雄


★ 銀河英雄伝説
 (4尺以上/1988/96.9/NO.54)
 キティフィルム三鷹スタジオ/石黒昇


・ 新世紀エヴァンゲリオン
 (2/1995/95/NO.8)
 タツノコプロ・GAINAX/庵野秀明


★ 涼宮ハルヒの憂鬱
 (2/2006/95/NO.38)
 京都アニメーション/石原立也


★ ToHeart
 (1/1999/95/NO.63)
 オー・エル・エム/高橋ナオヒト


・ プラネテス
 (2/2003/91.3/NO.12)  
 サンライズ/谷口悟朗


★ 魔法少女まどか☆マギカ
 (1/2011/91.3/NO.2/ツバメ
 シャフト/新房昭之



★ カウボーイビバップ
(【傑作>名作】2/1998/91.3/NO.69/闇鍋はにわ
 サンライズ・バンダイビジュアル/渡辺信一郎


★ ソ・ラ・ノ・ヲ・ト
(【傑作>名作】1/2010/90/NO.43/Takashi
 A-1Pictures/神戸守


★ コードギアス 反逆のルルーシュ ※2期込み
(【傑作・名作】4/2006/90.6/NO.55)  
 サンライズ/谷口悟朗


・ ちはやふる ※2期込み
(【傑作・名作】4/2011/90.6/NO.47)  
 マッドハウス/浅香守生


・ ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校
(【傑作・名作】1/2016/90.6/NO.48)  
 Production I.G/満仲勧



【名作】


★ UN-GO
 (1/2011/88.1/NO.62/絵樟
 ボンズ/水島精二


★ エリア88
 (1/2004/86.3/NO.66)
 グループ・タック/今掛勇


★ Gungrave
 (2/2003/84.4/NO.37/HASSO
 マッドハウス/都留稔幸


★ CLANNAD 〜AFTER STORY〜
 (※超神回 4/2008/90/NO.35)
 京都アニメーション/石原立也


★ こーやのあろん
 (1/88.1/NO.70/すぱんくtheはにー
 AI Pictogram/山木賽


★ Back Street Girls -ゴクドルズ-
 (1/2018/採点なし/NO.59/すぱんくtheはにー
 J.C.STAFF/今千秋


・ 疾風!アイアンリーガー
 (4/1993/90/NO.21/HASSO
 サンライズ/アミノテツロー


★ SHIROBAKO 
 (2/2014/87.5/NO.33)
 P.A.WORKS/水島努


★ 新世界より
 (2/2012/93.8/NO.64/だんごむし
 A-1 Pictures/石浜真史


★ 十二国記 
 (※超神回 4/2002/86.9/NO.52)
 ぴえろ/小林常夫


★ 装甲騎兵ボトムズ 
 (4/1983/92.5/NO.50)
 サンライズ/高橋良輔


★ ∀ガンダム 
 (※超神回 4/1999/93.1/NO.27)
 サンライズ/富野由悠季


★ 電脳コイル 
 (2/2007/90/NO.15)
 マッドハウス/磯光雄


★ トップをねらえ!
 (1尺以下/1988/94.4/NO.56)
 GAINAX/庵野秀明


★ とらドラ!
 (2/2008/87.5/NO.1)
 J.C.STAFF/長井龍雪


・ 響け!ユーフォニアム
 (1/2015/93.1/NO.16)
 京都アニメーション/石原立也


★ ふらいんぐうぃっち
 (1/2016/85.6/NO.25)
 J.C.STAFF/桜美かつし



★ ウマ娘 プリティーダービー
(【名作>良作】1/2018/83.1/NO.61/こるげそ
 P.A.WORKS/及川啓


★ 刀使ノ巫女
(【名作>良作】2/2018/83.1/NO.58/闇鍋はにわ
 Studio五組/柿本広大


★ 灰と幻想のグリムガル
(【名作>良作】1/2016/83.1/NO.23)
 A-1 Pictures/中村亮介


★ ファンタジックチルドレン
(【名作>良作】2/2004/86.9/NO.18/テリー・ライス
 日本アニメーション/なかむらたかし


・ ファンタジックチルドレン
(【名作>良作】2/2004/86.9/NO.18’)


★ プリンセスナイン 如月女子高野球部
(【名作>良作】2/1998/84.3/NO.68/テリー・ライス
 フェニックス・エンタテインメント/望月智充


・ メイドインアビス
(【名作・良作】1/2017/86.9/NO.14)
 キネマシトラス/小島正幸


★ 若おかみは小学生!
(【名作・良作】1尺・15分枠/2018/83.1/NO.60)
 マッドハウス/増原光幸・谷東


★ 四月は君の嘘
(【名作<良作】2/2014/77.5/NO.39)
 A-1 Pictures/イシグロキョウヘイ



【良作】


・ アルジェントソーマ
 (2/2000/80.6/NO.30)
 サンライズ/片山一良


★ 大江戸ロケット
 (2/2007/88.8/NO.10/HASSO
 マッドハウス/水島精二


・ げんしけん
 (1/2004/81.9/NO.31)
 パルムスタジオ/池端隆史


★ 恋は雨上がりのように
 (1/2018/80.6/NO.44/カエル班
 WIT STUDIO/渡辺歩


★ 坂道のアポロン
 (1/2012/80.6/NO.5)
 MAPPA/渡辺信一郎
 

・ 瀬戸の花嫁
 (2/2007/80.6/NO.41/HASSO
 GONZO/岸誠二


★ 中二病でも恋がしたい!
 (2/2012/84.4/NO.57/らば☆すと
 京都アニメーション/石原立也


★ 魍魎の匣
 (1/2008/75/NO.3/ぎけん
 マッドハウス/中村亮介


・ ゆるキャン△
 (1/2018/81.3/NO.51)
 C-Station/京極義昭


★ ReLIFE
 (1/2016/75/NO.4/乙女座のばふちん
 トムス・エンタテインメント/小坂知



★ Just Because!
(【良作>佳作】1/2017/77.5/NO.42/テリー・ライス
 PINE JAM/小林敦


★ アニメガタリズ
(【良作・佳作】1/2017/75.6/NO.36/闇鍋はにわ
 ワオワールド/森井ケンシロウ


・ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない
(【良作・佳作】2/2010/77.5/NO.19)
 AIC Build・A-1 Pictures/神戸洋行


・ Classroom☆Crisis
(【良作・佳作】1/2015/77.5/NO.22)
 Lay-duce/長崎健司


★ 西洋骨董洋菓子店 〜アンティーク〜
 (【良作・佳作】1/2008/78.8/NO.26)
 日本アニメーション/奥村よしあき


★ プピポー!
 (【良作・佳作】1尺以下・5分枠/2013/76.3/NO.45)
 AIC PLUS+/鈴木薫


・ やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
(【良作・佳作】1/2013/78.1/NO.13)
 ブレインズ・ベース/吉村愛


★ いなり、こんこん、恋いろは。
 (【良作<佳作】1/2014/76.9/NO.34)
 プロダクションアイムズ/高橋亨


・ ゴールデンタイム
 (【良作<佳作】2/2013/76.3/NO.20)
 J.C.STAFF/今千秋


・ リトルウィッチアカデミア
(【良作<佳作】※惜作 2/2017/80.6/NO.32)
 TRIGGER/吉成曜



【佳作】


・ ACCA13区監察課
 (1/2017/75.6/NO.40)
 マッドハウス/夏目真悟


・ 亜人ちゃんは語りたい
 (1/2017/70.6/NO.11)
 A-1 Pictures/安藤良


★ 学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD
 (1/2010/76.9/NO.46)
 マッドハウス/荒木哲郎


・ 少女終末旅行
 (1/2017/75.6/NO.53)
 WHITE FOX/尾崎隆晴


・ スロウスタート
 (1/2018/75.6/NO.49)
 CloverWorks(A-1 Pictures)/橋本裕之


・ ネト充のススメ
 (1/2017/76.9/NO.24/もち
 SIGNAL.MD/柳沼和良



・ 魔法少女サイト
 (1/2018/74.4/NO.67)
 production dóA/松林唯人


・ 甲鉄城のカバネリ
(【佳作<水準作】※惜作 1/2016/77.5/NO.28)
 WIT STUDIO/荒木哲郎


・ マクロスΔ
(【佳作<水準作】※惜作 2/2016/76.3/NO.29)
 サテライト/安田賢司



【水準作】


・ ヨスガノソラ
 (1/2010/69.4/NO.17)
 feel./高橋丈夫


・ Re:CREATORS
 (※惜作 2/2017/70/NO.7)
 TROYCA/あおきえい 



【失敗作】


★  ソラとウミのアイダ
 (1/2018/42.5/NO.65/すぱんくtheはにー
 トムス・エンタテインメント/濁川敦

     

最新記事
執筆陣

PIANONAIQ
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※(メイン/サブ/コラム)はメイン・サブ・コラム記事それぞれの寄稿回数

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作品評価基準 【深歩評価】

本企画では以下の評価基準を採用しています(詳しくはこちらをご覧下さい)。


傑作 絶対観た方がよい作品

【名作】 観るべき、マストではずせない作品

【良作】 観た方がよい(がマストではない)作品

【佳作】 時間があるなら観ることを勧めたい作品

【水準作】 普通だが見どころはある作品


【凡作】 酷いが全否定ではない、どこか残念な作品

【失敗作】 ほぼ全否定、何とも残念な作品

【駄作】 取り上げる価値もない作品



【傑作・名作】傑作と名作の中間
【傑作>名作】傑作寄り
【傑作<名作】名作寄り
※惜作 (名作になりえた惜しい作品)
※超神回 (ずば抜けて素晴らしい名作回がある作品)


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