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【佳作】『少女終末旅行』(2017/Ave.75.6) text by PIANONAIQ

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作品NO.53 『少女終末旅行』




少女終末旅行 イメージ0 2 90


 

少女終末旅行 レーダー小5 【佳作】 1クール


世界観:80 脚本/構成:75 演出:80
キャラ:75 演技(声優):80  引き:65 劇伴:75 作画:75 


Ave.75.6   詳しくはこちら     ネタバレ厳禁度:★★★☆☆





2017年10月~12月
TOKYO MX、他
全12話漫画原作つくみず
日常・SF・ミリタリー




監督:尾崎隆晴
シリーズ構成・脚本:筆安一幸
キャラクターデザイン・総作画監督:戸田麻衣
ケッテンクラートデザイン・モデリング:相馬洋
音楽:末廣健一郎
アニメーション制作:WHITE FOX




<キャスト(主要)>

チト:水瀬いのり
ユーリ:久保ユリカ
ヌコ:花澤香菜

 



《ワンツイートレビュー》


人類滅亡後の?無人の廃墟都市を少女二人がケッテンクラートで旅をするユニークな世界観と設定が光る。旅の果てで二人を待つものとは一体?という謎の部分も魅力だが、それ以上に見る者によってベストエピソードが変わってきそうな終末感漂う世界での一風変わった日常体験の描き方に妙味を感じる作品。





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【目次】


 
【作品紹介】

【10話について】






■ 作品評価     【佳作】



傑作 絶対観た方がよい作品 
【名作】 観るべき、マストではずせない作品 
【良作】 観た方がよい(がマストではない)作品
【佳作】 時間があるなら観ることを勧めたい作品 
【水準作】 普通だが見どころはある作品

【凡作】 酷いが全否定ではない、どこか残念な作品 
【失敗作】 ほぼ全否定、何とも残念な作品 
【駄作】 取り上げる価値もない作品


【傑作・名作】 傑作と名作の中間
【傑作>名作】 傑作寄り
【傑作<名作】 名作寄り
※惜作 (名作になりえた惜しい作品)
※超神回 (ずば抜けて素晴らしい名作回がある作品)

◆ 作品評価順リスト(=「見て損はない作品」ランキング )はこちら




 
■ レーダーチャート評価  


少女終末旅行 レーダー

【総得点/Ave.】   605/75.6
――――――――――――――――――――――――――――――――
世界観 : 80
脚本/構成 : 75
演出 : 80                グループA:Ave. 78.3
――――――――――――――――――――――――――――――――
キャラ : 75
演技(声優) : 80            グループB:Ave. 77.5
――――――――――――――――――――――――――――――――
引き : 65 
劇伴 : 75                グループC:Ave. 70
――――――――――――――――――――――――――――――――
作画 : 75         
――――――――――――――――――――――――――――――――


100 唯一無二、これ以上はそうそう望めない最高峰 
95   最高、傑作レベル、文句なし、その作品にとってなくてはならない 
90   めちゃくちゃ良い、名作レベル
85 
80   かなり良い(強い、巧い)、良作レベル 
75   良い(強い、巧い)
70   なかなか良い(強い、巧い)、佳作レベル
65
60   普通、水準作レベル、少々物足りないが及第点は出せる 
50   凡作レベル、2流  30  失敗作レベル、3流  0  駄作・愚作レベル


※ 各パラメータが含むもの、点数の付け方など、詳しくはこちら
※ Ave.と作品評価は別、つまりAve.が75でも【名作】にすることは可能
※ これまで扱った全作品の採点等は作品評価順リストの方に纏めています





■ ネタバレ厳禁度   


★★★☆☆  (少し注意。ネタバレによって面白さ・衝撃度が少し低減する可能性あり)







 

【作品紹介】





少女終末旅行 イメージ6




高度な文明がそこに築かれていただろうことが如実に窺える誰もいなくなった廃墟都市で、二人の少女(チトユーリ)がケッテンクラート(※第二次世界大戦期にドイツで開発された半装軌車)でひたすら当てのない旅をする、というユニークな世界観と設定がまず目を引く作品だ。

無人の廃墟都市はもちろん、二人の少女の過去や旅の目的など、物語は多くの謎を抱え込みそれらを通奏低音として響かせながら、毎回二人が旅先で体験する色とりどりの出来事――終末感漂う世界での二人の少女の一風変わった日常――を淡々と描き出していく。

放送当時、弐瓶勉の『BLAME!』と本作の世界観における共通性が話題となったが(※原作者のつくみず氏も同作からの影響を公言しているようである)、人類が滅びた後の世界(?)的な設定や世界観に訳もなく無性に心が惹き付けられてしまうのは一体何故なのだろうか――

本作と同じ年の頭に放送され一大ブームを巻き起こした『けものフレンズ』の人気を決定的なものにしたのもこの辺が大きかったと思うが、『少女終末旅行』もまたこういった世界観を土台としながら、視聴者に考察を促すような要素が現れ始める物語中盤以降からはより面白さが増して、周りの反応もグッと良くなった印象がある。



少女終末旅行 イメージ7 25



二人の少女のキャラデザ、特に丸っこいチトの造形(上図右)には見ているうちに次第に病みつきになるような魅力があるし、OPED曲のクオリティの高さからは世界観の作り込みへの強いこだわりや原作への愛、話題となった末廣健一郎氏によるエンヤ風サウンド劇伴(※)と映像のユニークな取り合わせからは原作からのブラッシュアップが感じられる(※ちなみに筆者は原作未読)ところなども、本作の多岐に渡る魅力の一端であろう(※エンヤはアイルランドの歌手・音楽家。荘厳な癒し系サウンドで一時世界的ブームを巻き起こした)。



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少女達が旅の果て、廃墟都市の最上層で見るものとは何か?

といった部分でネタバレ(を回避した方がよいだろう)要素はあり、もちろんここも本作の面白さの大きな軸となる魅力のひとつだが、どちらかというとネタバレなど関係ない、少女達の日常の体験を描いた各単話エピソードそれぞれの味わいにこそ本作の妙味がある、と筆者は考える。

チトとユーリを演じる水瀬いのり久保ユリカ両氏の好演も素晴らしいが、性格のまるで異なる二人の絡みや掛け合いには緩い雰囲気やスリリングさ、可笑しさなどが漂っていて独特の魅力がある。



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二人しかいない世界(※厳密には僅かながら他の生存者も存在する)なので必然的にこの二人の絡みが多くの時間を占めることになるが、そこでは、何故二人でいる?人間が誰かと一緒にいることの意味は?といった根源的な問いが立ち現れてくることになる。

その日を生き抜くために燃料と食料を探し、寒さから身を守り、といった衣食住。
旅の途中手に入れるカメラや文明を滅ぼしたと思わしき超兵器など、未知のものへの好奇心。偶然出くわす音楽の楽しさ、美しい景色を見て訳もなく流れる涙――

二人の絡みと視点を利用しながら各エピソードでこういった人間の最も原始的な本能や生理的欲求を描いていく中で、根源的あるいは哲学的な問いについて我々視聴者にあらためて目を向けさせるきっかけをくれる、またそれをあくまでエンタメ作品の体裁を保ちながら独特の空気感の中で説教臭くならずに作品に落としこめているところが本作の妙味や巧さであり、原作者の狙いとしたところでもあるのだろう。

故に、見る者によっておそらく印象に残るベストエピソードも違ってくるだろうところも作品の懐の深さを示す証左となるものだと思うが、筆者の中の何かが大きく反応した10話について次項で少し紹介して本記事を終えることにする。





少女終末旅行 イメージ4 44




 
【10話について】




10話の絶叫シーンだけに5千円払ってもいい!


5千円が安いのか高いのか、私がケチなのか気前がいいのかはさておき(笑)、放送当時、感銘を受けた勢いでこんなことを呟いていたのが10話であった。



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<廃墟都市にある昇降台で二人がグワーンと上がって行く→水瀬いのりさんの「うわああぁぁぁ」という叫び→景色を見て泣く少女の姿>

と話の展開を書いてみても、ネタバレが問題になるものではまったくないし、また脚本どうこうでもない。そういった部分で妙に惹きつけられる魅力がある、というのがここでの良さになるのだろうが、言語化はとても難しい。

掴み所がなく何だかわからないけど面白い、というところではお笑いを見る時の感覚に近い気もする。

巻き戻して何度も見たくなるような不思議な魅力と強度、ダイナミズムを本シークエンスが備えているのは、シーンだけの瞬発力だけでなく、本作品がこれまで描いてきたキャラであり世界観といった全ての積み重ねがあってこそ、と確かに思える点においては、奇跡的な瞬間といっても大袈裟ではないようにも思う。

私にとって、『少女終末旅行』の10話とはこのような、作品評価を一段引き上げるような実に印象深いエピソードであった。






少女終末旅行 イメージ 70






執筆者 : PIANONAIQ (@PIANONAIQ




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◇ 作品記事総数:73

【傑作】8
【名作】23
【良作】20
【佳作】16
【水準作】5
【凡作】0
【失敗作】1
【駄作】0

※惜作 4 ※超神回 4

(【傑作>名作】は【名作】とする)


◇ コラム記事総数:3

(2019年6月19日現在)
 
 

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傑作 絶対観た方がよい作品

【名作】 観るべき、マストではずせない作品

【良作】 観た方がよい(がマストではない)作品

【佳作】 時間があるなら観ることを勧めたい作品

【水準作】 普通だが見どころはある作品


【凡作】 酷いが全否定ではない、どこか残念な作品

【失敗作】 ほぼ全否定、何とも残念な作品

【駄作】 取り上げる価値もない作品



【傑作・名作】傑作と名作の中間
【傑作>名作】傑作寄り
【傑作<名作】名作寄り
※惜作 (名作になりえた惜しい作品)
※超神回 (ずば抜けて素晴らしい名作回がある作品)


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